ロバート・デニーロがコメディアンを演じる作品だが、最初はやはり違和感があった。
だが時間が経つと共にその違和感も消え、むしろコメディアンというよりも作品自体は「タクシードライバー」にかなり似通っている。
売れないコメディアンのパプキンは、スターコメディアンのジェリー・ルイスと接触に成功する。
そこで鵜呑みを信じルイスに付きまとい、遂には脅迫し一夜限りのTV出演を要求する。
この役柄だからデニーロが必要だったのも分かるし、スコセッシの演出も確かなものがある。
デニーロの笑顔が恐怖の対象という比較も、まさに狂気と紙一重。
最後のコメディアンぶりも笑えるというより、悲哀を感じてしまうのは偶然ではない。