「だが ドン底であるより 一夜の王になりたい」
よくできた映画、というのが率直な意見。
パプキンのディスコミュニケーション具合や、マーシャの愛情の歪みっぷりはメンヘラの領域を大いに超え、もはや狂人の領域。ロバート・デ・ニーロも、サンドラ・バーンハードも、それぞれ異なる狂気を、見ている側が吐き気を催すほどに、演じきっている。
現実と妄想が入り交じった演出のせいで、ラストのシーンとか、本当に現実の話なのか疑ってしまう。あれ、絶対妄想エンドだろ。
この映画を見ていて、共感性羞恥心に近いものに襲われた人は一定数いるのでは、と思いつつ、自分もその1人であって。自分には、ここまで肥大化した承認欲求と妄想主義は持ち合わせていないし、過剰な自信も、非常識な行動力もない。
でも、彼の原動力でもある「今までバカにしてきた奴らを見返したい」ていう部分は多少なりとも共感してしまう。
ジョーカーに付随して、やたらと盛り上がっているので、野次馬感覚で見に来たら泥沼にハマった。やられた。
