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12人の怒れる男のH4Y4T0のレビュー・感想・評価

12人の怒れる男(2007年製作の映画)
4.3
1997年のアメリカ映画『十二人の怒れる男』を現代のロシアに舞台を置き換えたリメイク版。

張り詰める緊張感の中、陪審員達の痛烈すぎるエピソードも相まってストーリーへの引き込まれ具合が異常。
一度観ただけでも忘れられそうにない濃厚な内容なだけに鑑賞後、疲労感と倦怠感が押し寄せる。

義父殺しの罪に問われたチェチェンの少年の裁判にて、最終審を任せられた12人の陪審員が評議を始める。
舞台が舞台なだけにロシア特有の裁判員制度や社会事情が取り上げられており、聞き馴染みのない話ばかりだがそれだけ「固定観念」が強いんだろうな。
ロシアの主義なんて知ったこっちゃないけど、単純に頭の固い人は苦手だ。
だが物語が進むにつれ、そういう人の「意見」も審議には必要不可欠だということがわかる。
なにも法が全てじゃないって訳だ。

有罪無罪がどうとかってよりも、良くも悪くも“人間性”が問われる感慨深い作品。
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