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現金に手を出すなのmasaakibのレビュー・感想・評価

現金に手を出すな(1954年製作の映画)
4.5
ジャック・ベッケルの映画は、建物の構造に注目してしまう。細部の映画監督。
須藤健太郎さんのアフター・トークでは、ジャック・ベッケルは、スター俳優を使わない監督で、というのは、他の作品のイメージを引き寄せてしまうことを嫌ったからで、この作品でジャン・ギャバンを使うことにかなり悩んだとか。ジャン・ギャバンはこの作品のヒット以降、円熟期に入っていく。
初見だったので、先に見ていた『地下室のメロディー』(1963年)のジャン・ギャバンを思い出しながら見ていた。

ほかに、ジャック・ベッケルはキャラクターを丁寧に描くことで映画を形作っていく監督で、ドゥルーズ『シネマ』のSAS’(状況→行動→新たな状況)という行動イメージの映画とは対極的な映画、とか。
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