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竜とそばかすの姫のmasaakibのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
4.5
ヴィスコンティの70mm版「山猫」をIMAXスクリーンで見たときと同じような感覚を覚えた。
実写は、一度カメラが回り始めたら、カメラが捉えるすべてのものを、演出で完璧に制御できる、ということは前提にできないが、アニメーションは、人の手で画面を作り上げていくから、画面に映るものはすべて演出で制御されている。
何がどう映るか、撮ってみたらわかる、というのが実写の面白味の1つだとすると、アニメーションは同じ評価軸では評価し難いもの、と思っていたけれど、この作品はその評価軸に乗ってきてしまったように思える。
TCXという画面の大きさと、アニメーションの製作技術と、「映画」を志向する演出意図が作り出したものだとすると、アニメーションは、この評価軸で実写を超える効果を観客に与えることができるのかもしれない、と思わせられる。
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