イスラエルという国は、悲惨な歴史的背景を持つユダヤ人の国家である、という国際的な認知が、イスラエルのあらゆる行為の免罪符になっている、ということに気づかされるようで、新しい視点を突きつけられる作品だっ>>続きを読む
第34回東京国際映画祭 コンペティション
20世紀前半のスリランカの様子が新鮮。
シーンの情景とは別のところで鳴っている音(列車の音など)が重なるのは、どういう演出なのか、の解釈ができず。
第20回フィルメックスで上映された、「昨夜、あなたが微笑んでいた」のニアン・カヴィッチ監督作品。
前作で取り壊される過程を捉えた集合住宅を舞台にした物語。冒頭は青春映画という雰囲気だったものの、徐々に>>続きを読む
ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最後の作品として、とても見応えのある作品だった、が、007作品としては、スカイフォールを超えるほどではなかった、か。
自分とは何なのか、ということについての押井守監督の個人的探究と、攻殻機動隊のテーマがうまくはまってしまったなと、改めて思わされた。
「AKIRA」の4K版を観たのがおよそ2年前で、元々の製作年は10>>続きを読む
現実世界に重なるように、精巧に構築された映像世界。その世界は、「村上春樹」という神が作り上げた世界。
神を演出するのは、濱口竜介という映画監督。
ヴィスコンティの70mm版「山猫」をIMAXスクリーンで見たときと同じような感覚を覚えた。
実写は、一度カメラが回り始めたら、カメラが捉えるすべてのものを、演出で完璧に制御できる、ということは前提にで>>続きを読む
この独特の感性はすごい。
声を楽器のように考える南インドっぽい音楽と、登場人物たちの感情のままの行動と、思い切りよくショットを刻んでいく編集が、とても独特な感性でまとめられている、というところですか>>続きを読む
何か危うさを感じさせる点がいくつか散見しつつ、淡々と、さらっと、最後まで通していく構成がうまい。
1994年の作品だけど、70年代の作品のように思えてしまう。
ボニーとクライドになり切れない現実、という感じがいいですか。
キャシーの行動に妙に現実味を感じてしまう。
「わたしを離さないで」、「シェイム」、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」、「ワイルドライフ」と、キャリー・マリガンのキャリアの変遷を思うと、なかなか印象>>続きを読む
続きがありそうな感じ、ではありますか。
モビルスーツの描き方が作品ごとに向上していく感じがしますか。
アニメとしての満足感というより、アニメでもこういうことができる、ということの新鮮さを味わえた満足感、があるか。
第三村のシーンは妙に郷愁感があり、南極での戦闘シーンにはそれなりにカタルシスがあるが、>>続きを読む
時と空間のスケールが壮大で、その世界観はBLAME!!のよう、だけど、登場人物のキャラクターはちょっと違う。
ストップモーションアニメというだけで無条件ですごい、と思ってしまう。
音楽のコンサート、というより、演劇を観ているよう。シンプルな衣装とシンプルな舞台はピーター・ブルックの演劇のようで、バンドメンバーのパフォーマンスやデビッド・バーンのトークもおもしろく。
「ストップ・>>続きを読む
1本の映画にするには、ちょっと内容が収まりきれなかった、かな。テレビシリーズでじっくり観たかった。
ほとんどのシーンが司祭の憂いの表情でフェイドアウトし、核心に迫らない、宙ぶらりんな状態が、ほぼ全編に渡って続いていくという、ブレッソンらしい、とても不安定な作風が楽しめる。
ネットの実情はこんなもの、と思いつつ、自分の欲望を満たすために未成年を精神的に追い込んでいく過程は空恐ろしい。
一応、マシュー・マコノヒー主演、ということなんだろうけど、映画を進めるのはチャーリー・ハナムとヒュー・グラント。
もう少し笑えるかと思ったけど、抑え気味。
込み入った話が込み入った編集によってなかなか>>続きを読む
110分という時間の中で、車上生活者たちの思いが蓄積されていき、目頭が徐々に温められていくのを感じる。そして、追悼の焚き火の翌朝の語りで涙腺決壊。
ゆったりとした風景の反復を挟みながら、人々の思いを淡>>続きを読む
抽象化されたヨーロッパ、のような風景に、謎めいた風味を添えるのがおもしろい。
新ベルリン派、という言葉はもう古いのかもしれないが、「未来を乗り換えた男」とやっと2本観て、何かネオ・ヌーヴェルヴァーグと>>続きを読む
映像の構成に無駄がない、と感じさせられる。
社会には階層がある、ということを、知りながら気にしない、ということが映像表現に加味されている、と思えたら、さらによかった。
鬼滅の刃という物語の1エピソードで、劇場版だからとくにクオリティが高い、というわけでもないのだろう。
煉獄杏寿郎というキャラクターをあっさり消費してしまうのはすごい。
鬼とは、何か。
類似の特徴をも>>続きを読む
第21回東京フィルメックス コンペティション
各シーンの舞台となっている場所は、周囲にただた草原が広がっており、各シーンの場所の距離感がどうなっているのか、気になる。
ストーリーだけを追ったら、嫌な>>続きを読む
首が痛いリー・カンションといえば、『河』。この作品の見せ場も、そういう見せ場になっているけれど、『河』よりもかなり踏み込んでいて、行為のあとに至るまで、描写がとても繊細。
山中貞雄や溝口健二への言及があるように、戦前戦後の日本映画を彩る女優たちの佇まいを思い出させる蒼井優さんの演技。とはいえ、現代を生きる蒼井優さんが彼女たちの佇まいを完璧に再現するのも無理な話で、映画自>>続きを読む
逆行というのがどういう状態かを直感的に把握するのが難しく、どうしても頭で考えてしまうので、映画の展開に思考が追いつけない、という隙をついて、細部が大雑把になってないかな、という考えが頭をよぎる。インタ>>続きを読む
ヴァイオレットとギルベルト少佐の物語を完結させるだけでなく、自動手記人形のエピソードもきちんと盛り込んでいて、うまくまとめている。
やはりこの作品の魅力は、自動手記人形としてのヴァイオレットの立ち居振>>続きを読む
外山文治監督は俳優を魅力的に撮る。
不安定な状況の中にふわふわと漂うようなキャラクターを詩的に描く。
対になる男女のキャラクターの関係性もまた微妙で、簡単に言い表せないような関係性がとても危うい。
4Kリマスター版。
映像も音もきれいだが、体験としては爆音35mm上映のほうが上だったかな。
フィルムの傷や画面の揺れが、この画風に合っている。
まあ、劇場で観るのは3度目で、2回はフィルムで観てる>>続きを読む
ノリはザブングルのようで、キャラクター造形はガンダム調。