さすらい農場

星守る犬のさすらい農場のレビュー・感想・評価

星守る犬(2011年製作の映画)
4.2
西田敏行と秋田犬とヒマワリ🌻
いかにもハッピーな動物映画…と思わせて、複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れたお話

いきなり放置車両に白骨化した遺体(死後半年)と犬の死骸(死後1ヶ月)が発見されるというハードな展開

わずかに残った手がかりを元に、東京から東北、北海道と足跡をたどる中で[おじさんと愛犬]の絆を知る

救いが無い、悲惨、負け犬、
哀れな犠牲者…
それら[他人の不幸]は、殆どが[社会の暗部]として見て見ぬ振りをされ、忘れ去られる…
でも、この物語は決して[お涙ちょうだい]ドラマでは無いのです。

[星守る犬]とは絶対に手が届かないものを欲する
[高望みする人]の事だという
それが夢や希望、自由を追い求める事なら[星守る犬]は不幸だろうか?
互いに想い寄り添う相手がいた生き方を
単なる不幸と切り捨てるのは[命への見下し]だろう。

例え短い生涯だったとしても人生の価値は他人には測れない。
とても切ないけれど、生きる意味を教えてくれる優しい物語でした。