女シリーズの最後であり、伊丹監督の遺作。
これまで伊丹作品には、エンターテインメントと社会問題への切込みの2つを両立している作風に魅力を感じてきた。
知的でブラックなユーモアが特徴にあったように思う。
今作では笑いの質が三谷風の喜劇だった。クレオパトラの舞台のチャンバラのくだりとか。それもおもしろいのだが、求めているものと違うと感じた。
また今回は宗教団体からの襲撃や嫌がらせが描かれていたけど、前作までのヤクザや地上げ屋のような凄みがなく、表面的なオウムのパロディで止まってしまっている印象を受けた。それも時代を感じると評価できるけれど。次作の構想ではもっと具体的な宗教団体の問題に切り込むらしいようだったがその前に亡くなられてしまった。残念でならない。
全体として自作や他作のパロディが多く見られたのはおもしろかった。