冒頭のシーン、音楽も雰囲気も、あぁこの映画好きだなと直感。奇天烈な登場人物たちに笑っているうちに唐突に爆撃が始まり地下生活の役割が顕になる。
動物たちの生き活きとした演技？は、物語を通して、裏切りやペテンに満ちた人間たちの人生を客観視するための鏡のようで不思議な効果を生んでいる。
前半の破茶滅茶で愛すべきマルコとクロのコンビが、ナタリアを挟んで少しずつ不穏なバランスに堕ちていく様子は、後半にかけて戦争の勝敗が裏返りまた内戦へと突入していくユーゴスラヴィアの様子とも繋がる。少しずつズレた時間や空間により、ボタンのかけ違いのように人の気持ちもすれ違っていく。ファンタジックな映像とドキュメンタリーが渾然として、不思議な味わい。クセになる世界観。5時間に耐えられるか…完全版をぜひ見たい。
チンパンジー、ソニの演技が効いてる！
