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アンダーグラウンドの19のネタバレレビュー・内容・結末

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

踊り、歌い、愛し、裏切り、失い、悲しむ。ユーゴスラビアの崩壊という悲劇をあくまで楽しい音楽と歌にのせ描く。マルコは名声とナタリアへの愛のため、友を裏切り、仲間を騙し地下へ閉じこめ、挙げ句に嘘が露見したと分かると生き埋めにする。クロは国のため革新のため、周りを巻き込み、地下を出ても尚、敵の撃墜に必死なために、息子を失い、友も愛する人も失う。ナタリアは生き抜くために愛してくれるものに従うしかない。マルコについて行ったがために女優として輝くこともできず、アル中になるしかない。どの登場人物も幸せになれない。どんどん悪くなる状況のなか、合間合間に映される希望がなお美しい。クロと息子が地下より出て、ボート上で朝日を見る。息子にとっては初めての太陽。本当に美しく忘れられないシーン。最後、太陽か輝く青空の元、仲間が集まり、歌い、踊り、許し、許され、笑い合う。やはり、忘れられない全てを包み込むラストだった。紀伊國屋レーベル上映会サザンシアター鑑賞。
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