1962年 監督は森一生。この作品の他「逆手斬り」「御用旅」を撮っている。
ストーリーは「続」というだけに、「座頭市物語」の後日談になっている。
今回の相手は隻腕の男(若山富三郎)。
座頭市がヤクザに身を落とす原因にもなった因縁の男。結ばれるはずだった女、おたねを奪った男だ。
按摩の市は、関宿の本陣に逗留中の黒田家の殿様の療治に呼ばれ、殿様が発狂していることを知る。黒田家中の侍たちは口封じに、関の勘平衛に市の殺しを依頼する。
何とかその追ってから逃れた市は平手造酒の一周忌のため、笹川に向かう。
座頭市物語で因縁の飯岡助五郎の家には片腕の男が草鞋を脱いでいた。
ストーリーは面白く出来ている。しかし、脚本は座頭市物語と同じ犬塚稔なのだが、大事なところでセリフに締まりがない。
ラスト、隻腕の男と座頭市が飯岡助五郎一家に囲まれて絶対絶命の危機に陥るが、そこから逃げ出す大事な場面で納得感がない。
それはないだろうと思わせるシーンを作ってはせっかくの人気作が台無しだ。
この2つで評価が落ちる。
最後に、座頭市の出生(家族)やおたねの話も出てきて今後の展開の暗示をしている気がする。
2022.11.20視聴-513