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ザ・ロードのbluemercenaryのレビュー・感想・評価

ザ・ロード(2009年製作の映画)
4.4
世界が終わった後に生まれた息子。
妻は全てに絶望して静かに命を絶った。
父と息子はひたすら南を目指すが、遭遇する人間達に理性などは存在しない ――彼等は最早人間では無かった。
そんな環境でも父は息子に語り掛ける ―― 善を、モラルを、尊厳を、―― 息子が理解出来るか解らないが。



コーマック・マッカーシーの大傑作小説の映像化。
息子を諭す理由は、自分が亡くなった後も人間として生きて欲しいという願望。
そこには自死を選択した妻に対して何もできなかった自責の念も有ったと思う。
やがてくる別離の予感が強くなり父と息子は怯える ―― 観ているこっちも狼狽えた。
エンディング ―― 息子の心に宿った“灯火”の行く先が気になるドラマ。
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