くつした

それでもボクはやってないのくつしたのネタバレレビュー・内容・結末

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

これよく考えてるなと思ったのは、加害者(仮)の男性が本当は痴漢をしたのかしてないのかが描かれていないところだった 最初はなんで映してくれないの?とモヤっとしたけど、実際に痴漢の被害に遭った方の気持ちを考えたら、この映画を見た人がその後実際に痴漢に遭遇した際に「あの映画の主人公のように頑なに否定してるんだから冤罪に決まっている」という先入観を持ってしまわないようにという配慮かなと思った。痴漢をしても頑なに否定し続ければこの人はやってないのかもしれないと思わせることができるかもという安易な気持ちで犯罪に走る人が現れませんように。
というか、痴漢に間違われて怒る男性(女性の場合もあるだろう)はたまにいるけど、本来そういう方が怒るべきなのは被害者ではなくの痴漢を働く犯罪者に対してだと感じる。被害者は自分の身体が他者によって蹂躙されたと感じるから自分で自分を守るために必死なわけだし、もしそれが勘違いだったとしても悪いのは本来『痴漢』という卑劣な犯罪を行っている人間の方だよなと思う。

広東語を習っている友人から聞いたことがある。「教科書に広東語における「痴漢」という単語が出てきたけれど、香港には痴漢という犯罪が存在しないのでどうやら現地で使う場面がなさそうだ」と。他国には存在しない犯罪なのに、痴漢という言葉が翻訳されている。初めて心の底から自国の(犯罪の)文化に対して恥ずかしいと感じてしまった。一刻も早く日本から痴漢を撲滅するべきだと思う。
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