ファックマン

イヤー・オブ・ザ・ドラゴンのファックマンのレビュー・感想・評価

3.0
主人公の性格や信条が荒だらけなのには不満はない。個人的にはむしろ、そういうキャラクターの方が綺麗事感がなくて好き。でも皮肉にも、本作を観て滅茶苦茶不満を抱いたのはあっちこっちに散りばめられた綺麗事感

一つはヒロインと主人公の関係性。なんでくっついたん???主人公、男前であること以外惚れる要素なにもないけど???ブレードランナーのチュー恐喝シーンが可愛く思えるくらいのレイプまがいの行為でストックホルム症候群を抱いた以外の理由が見当たらないんだけど。イイ感じの関係になるのも謎だけど、その後の扱われ方の酷さからして何故絶交しないのかの方がもっと謎

もう一つは主人公の報われ具合。主人公、悪人ではなくても己の正義に執着し過ぎて周りを滅茶苦茶にしたし、特に更生するわけでもないから「最後には報われていいようなキャラクターではない」という印象が自分の中で固まってた。だからこそ余計にあの雑で取ってつけたようなハピエンはなんなん???ってなってる

台詞のセンスとか映像そのものは素晴らしい作品なのに、結局は主人公をどうしたいのかが色々と中途半端で謎だったから素直に好きになれないのは非常に残念。「綺麗事にはしたくない、ちゃんと汚い面を存分に見せたい」みたいなスタンスの映画だからこそ、余計に綺麗事に引っ張られてTwitterで文句言ってる時の女オタクさんみたいな口調になってしまった事を大変申し訳なく思ってる
ファックマン

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