SEIJISAN

イヤー・オブ・ザ・ドラゴンのSEIJISANのレビュー・感想・評価

3.0
マイケル・チミノ監督、好きなんですよね。「アメリカの暗部」と言うか「アメリカの不都合な歴史」を堂々とオブラートに包む事なく描くところが。本作はチャイニーズマフィアと対決する熱血警部の物語ですが...面白いと思いますよ、ジョン・ローンはメチャクチャ格好良いし...。ただミッキー・ローク演じる熱血警部が周囲の人々を踏み台にし過ぎ!彼に関わるととんでもない目に合う。それでいて警部本人は事の大きさと比べると「何て事無いね」って雰囲気なのが嫌ですね。特に彼の奥さん。メチャクチャ可哀想。ある意味警部も悪人ですよ。「フレンチ・コネクション」のポパイ刑事も熱血で周囲が見えなくなるところがキャラクターの魅力になってましたが、本作の警部は単に「サイコパス」です。警部のキャラクター設定さえ変えれば傑作ハードボイルド映画に必ず仕上がっていたと思います。クライマックスの痺れる程に格好良い演出を見るとそう思います。エンディングで気になったのは中国人のアンカーウーマンの方は、警部のせいで超トラウマ級の事件に巻き込まれて痛い目に合ったのに笑顔で彼を迎え入れるところ。あんな対応出来る?
SEIJISAN

SEIJISAN