kaitomo

疑惑のkaitomoのレビュー・感想・評価

疑惑(1982年製作の映画)
4.2
保険金殺人の疑いを掛けられたクマコ(桃井かおり)は、状況証拠・前科・性格から見れば誰がどう見ても黒。世間からも警察からも嫌われる彼女は、本当に犯人なのか?という、ハリウッドが得意そうな法廷ミステリー。
証人にいちいち絡み、叫ぶ、剥き出しの桃井かおりに圧倒される。憎たらしいが、完全に憎みきれない感じ。それに対し、キリッとクールに対応する弁護士(子供にも容赦しない)岩下志麻もカッコええ。プロに徹していて痺れる。
この二人のやりとりを見てるだけで面白いし、展開も無駄がなくて、ひきこまれる。邦画では、ここまで面白い法廷モノはなかなかお目にかかれないのでは。しかも、情にまったく訴えかけてこない硬派な作り。
一番悪質なのは、正義きどりで悪気なく出鱈目を書き立てる記者(柄本明)だと思うな。
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