あるぱか

イゴールの約束のあるぱかのレビュー・感想・評価

イゴールの約束(1996年製作の映画)
3.8
ダルデンヌ兄弟監督の作品初観賞。

不法移民の斡旋を家業にしている父とそれを手伝いながら修理工に通う息子イゴール。
イゴールはクソ野郎な父親の愛を知りながらも、自分の思う正しいことをするべきか葛藤する。

友達とのゴーカートでは無邪気な子供のように笑い、不法移民には無表情・慣れた手つきで金を回収していくイゴールの心の葛藤をその表情だけでみせていて、こんな環境・時代背景でも自ら足枷を外して行動する繊細な思春期の青年を演じた主演の俳優が素晴らしかった。
父親は足枷を外すことが出来ずに息子に懇願するのは切ない。

貧困な町で暮らす不法移民達の自然すぎる演技と、BGMも無くすぐそばで観察しているかのようなカメラワークで、現実で起こっていることをまさに目撃しているかのような感覚だった。
ラストシーンも個人的には「こんな場所で終わるの?」ってくらいで唖然。

『初めて“罪”を感じる時、少年は大人になる』ってフレーズいいですね。
この後イゴールはどんな大人になっていくんだろう…
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