リサフランク420

憂国のリサフランク420のレビュー・感想・評価

憂国(1966年製作の映画)
3.8
4/26/2017

物語に関しては原作を参照するとして、切腹シーンに尺を割いたのはやはり三島自身がそれを映像化する必要を感じたからだと思う。彼がその後実際に自害することを別にしても、あの耽美な文体を映像にしてみると、これがさすがに美しいのである。死に対する憧れは彼の諸々の作品からも読み取れるが、白と黒のみで構成される若き夫婦の最期には、ハラキリというものの意味を大いに覆してしまう力があったように感じた。