このレビューはネタバレを含みます
★1984年に続き2回目の鑑賞★
1作目が大ヒットしたことを受けて製作されたものと考えられるが、続編だけど内容は変えなくっちゃいけない、その変えた部分の出来が悪い、という、2作目の呪縛というものが顕著に感じられる内容。
1作目の製作年が同じ「フレンチ・コネクション」の続編と同じ失敗と言えよう。
まず、ダーティ・ハリーと言えば44マグナムなのだが、これがラストでは全く活躍しない。まさかの素手のハリーと拳銃を持った敵との戦い(もちろん、あっさりハリーが勝つ)は、なんだか緊迫感がない。
また、とにかく敵対組織の人物描写がほとんどないことと、やっていること自体は法を破って悪いことは悪いが、いまいち、1作目のスコーピオンのように一般市民に全面的に憎まれる所業ではないし、早々にストーリーも先が読めるため、ラストに向かってのカタルシスが薄い。
ラスト近くの、敵が10m程度の高さから海に落ちるだけで死んでしまうのも、あまりにあっけなく、そんなラストでいいのか!?とちょっと驚くくらい。
約40年ぶりに鑑賞したということは、約40年前の初見時に評価が高かった(4.5)ということなのだが、初見ならそこそこ面白く観られようものの、1作目のようなヒリヒリと研ぎ澄まされた緊迫感はなく、ただイーストウッドがカッコいいということしか取り上げる点はない。