BOB

悪名のBOBのレビュー・感想・評価

悪名(1961年製作の映画)
3.5
勝新太郎の代表作の1つである任侠アクションシリーズ『悪名』の第1作。

「わいが死んでも、わいのど根性は死なへんわい。」

二幕構成。前半はやくざ嫌いの河内のやんちゃ青年・朝吉が、その度胸と腕っぷしの強さで女とやくざを惹きつけていき、後半は攫われた意中の娼妓を救出するため因島へと向かう。

勝新太郎が若い。勝新太郎といえば恰幅の良いワイルドなイメージが強かったが、この頃はなかなかの男前。くりくりした目とキリッとした眉毛が素敵だった。『座頭市物語』では、盲目の役だったので気付かなかった。この後、勝新太郎の妻となる中村玉緒が、朝吉と恋仲になる娼妓役で出演している。

朝吉のキャラクターは、一貫して優等生的な立ち回りをするので、少々面白みに欠ける気はした。

因島の女親分の親分感が凄い。登場と共に場の空気がビシッと引き締まった。やくざの掟かそれとも義理人情か、砂浜での朝吉とのラストシーンが味わい深い。このシーンがすべてを持っていった感がある。ちなみに、彼女の役名である"麻生イト"は実在した実業家の実名とのこと。

しるくはっと🎩。

「わいは勝ったんや。わいは勝ったんやでい。」

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