Rita

4匹の蝿のRitaのレビュー・感想・評価

4匹の蝿(1971年製作の映画)
3.9
謎の殺人鬼。

ロックバンドのドラマーは、男に付きまとわれていた。執拗な嫌がらせに腹を立て詰め寄ると、はずみで男を殺してしまう。その現場を覆面の人物に撮影され、不可解な殺人事件が次々と周りで起こり始める。

この作品は上映後ソフト化されることがなく長年幻の作品とされてきた貴重な作品だと言う。「歓びの毒牙」「わたしは目撃者」に続く、"動物三部作"として知られている監督の初期作品である。

サイケ調のロックからのオープニング。音楽はエンリオ・モリコーネが担当しており、今作では他の作品とは一風変わっていてお洒落な音色も魅力的。

「フランケンシュタインのレ○プ」とか如何にもイタリア人らしい会話が強烈で面白いと言っていいのか、息をするように口から下品な言葉が出てくるというのが私の勝手なイタリア人の想像です。英会話の先生が「イタリア人と仲良くなるには下ネタを話さなければならない」と訳の分からないことを言っていたのですが、きっとイタリア人は心がオープンな変態ってことですね。

従姉妹と不倫?何してんだコノヤローていう気持ちでいっぱいだったんですが、従姉妹の女性が綺麗だなと感じました。講義にいらしていた矢澤さんの言う通り、ダリオ監督は女性の撮り方が上手い人だなと思いました。サスペンス要素も「ヒッチコック」に寄せているように感じた。

死ぬ直前被害者が見た映像が網膜に、数時間残っている、その映像をレーザーで検出しようという発想もありえなさ過ぎて面白い。あと主人公は、なんであんな開放的な家に住んでるんだとツッコミを入れたくなってしまうのもまた見所。

地味カッコいいサスペンス映画という印象。監督の精神異常者の描き方が面白い。最後の変わりようが物凄く衝撃的だった。犯人の正体が分かりどのように終わるのかと思っていると、驚きのあのラストシーンが最高に素晴らしい。あのシーンあっての評価です。
Rita

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