LeShinji

ポネットのLeShinjiのレビュー・感想・評価

ポネット(1996年製作の映画)
5.0
ポネットは幼すぎて、母との確たる思い出がない、そもそも人は死ぬものだと考えたこともないし、時間の非可逆性などには思いを馳せたこともない。言わば、ポネットにとって母親は彼女のすべてだった……
そんな幼い子の世界から、ある日忽然と母親がいなくなったら……
ポネットは喪に服すこともできない。母親との確固たる思い出を記憶するには、彼女は幼なすぎるから。
喪とは何か、死の表象可能性とは……
かわいいポネットの天才的な演技を通じ、映画は普遍的で深淵のごとく答えのない問いを私たちに突きつけます。それがこの映画の圧倒的な魅力なのだと思います。
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