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ポネットのLXのレビュー・感想・評価

ポネット(1996年製作の映画)
5.0
ポネット役のヴィクトワール・ティヴィソルの演技が凄すぎる。
ものすごくエモーショナルな演技をしているのに、作り物っぽさが全くない。
史上最年少でベネチア女優賞を取ったのも当然だ。
というか、子役にここまでやらせていいのか?と思ってしまう程の名演。

無論俳優頼みの作品では全くなく、映画内容としても、完璧を通り越したレベルだ。
個人的な感想だが、人間は本当に何かを求め、祈る時ってどうしても泣いてしまうものだ。
本当に悲しくて、絶望して、泣き疲れたところに…神様はいてくれるのかもしれない。
人間の祈る姿はどんなに泣いていようと、いやだからこそ美しいものだ。

マタイやルカの福音書に出てくる、
「悲しむ者は幸いである。笑うようになるから。」
「子どもを連れてきなさい。神の国は彼らのものである。」
このイエス・キリストの言葉をまさに直球で表現したような映画だったと思う。
キリスト教映画である…ともいえそうだが、クリスチャンでなくとも通じる普遍性を持った最強エモーショナル映画だ。

最近は悲しい出来事も多いが、そこから立ち直る方法なんて、そんなに数はないだろう。
それは周囲の人間の助けだけではなく、信仰のようなものが必要なのだろう。
大丈夫。その涙の先には何かが待っている。

難解な映画ではないのだが、残った疑問が一つ。
「どんな演技指導したんだ⁉」
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