この映画には『退屈な日々からの逃避』も『嫌いだった自分からの卒業』もある。
『燃えたぎるような熱い一夜』も『人生最高の相棒との友情』だってある。
それが必ずしも幸福に至るとは限らないけれど。
束縛が強く保守的な夫に振り回されながら日々を過ごす主婦のテルマは、数少ない友人のルイーズから週末だけの休暇に誘われる。
旦那からの解放に浮かれたテルマは、途中立ち寄った店でいかがわしい男に絆され襲われかけてしまう。
彼女を救う為、ルイーズが男を護身用の銃で射殺する所から二人の逃避行が始まる。
テルマとルイーズ。
この二人は一見すると正反対の性格をしているように見える。
内向的で人に付いて行きたがるテルマと、サバサバとしていて常に冷静なルイーズ。
しかし旅が二人を大きく変えて行く。
成長とも自己破壊ともとれるこの変化はどこかコミカルでもあり、二人を旅の終わりに導くようでもある。
テルマとルイーズはそれぞれ退屈な日々から逃げ出し、愛の苦しみを知り、嫌いだった自分から変化を遂げる。
その先の結末が幸福か否かは二人にしかわからない。