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テルマ&ルイーズのASAのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
3.7
女版イージーライダー。
男を信じない強い女たちの逃避行。

自分たちを取り巻く社会に反抗して破滅に向かっていくさまは、まさにアメリカンニューシネマのようだった。

痛快なドライブを観ているのももちろん楽しい。しかし、広大なアメリカの大地を眺めているだけでも感極まるものがある。絶景にもほどがある!

問題が次々と起こる旅のなかで、抑圧されていた心を解き放っていき、"本当の自分"を取り戻していくさまは気持ちがいい。圧巻の風景とも相まって開放感がいっそう増した。

一切の未練が無い絶頂の中「テルマ&ルイーズ」は幕を閉じる。
映画史に残る最高のエンド。二人の晴れやかな表情が目に焼き付いている。

あ、タンカーのおっちゃんに爆笑。
「お前らは地獄から来たのか!?」


2019/11/12
午前十時の映画祭にて二度目の鑑賞。
やはりラストシーンである。音楽はちょっと記号的に感じてしまい、正直好感は持てない。だが、最後の2人の表情は最高だ。高揚感や社会への拒否感、さまざまな感情が渦巻いて口にしなくても彼女らの胸の内を感じ取れる。
世間を知らないテルマと現実の厳しさを体験してきたルイーズのズレは旅を続けてる内に収束していく。取り返しのつかない2人は先の見えない道をどんどん急降下していく。それなのに彼女たちの顔に絶望は見えず、心の底から逃避行を楽しんでいた。抑圧された世界から2人は完全に抜け出して本当の自分になったのだから。
初見の時ほどの感動はないが、やはりこういうロードムービーは映画館で観るに限る。午前十時の映画祭よ、ありがとう。
3.9→3.7
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