割烹

テルマ&ルイーズの割烹のレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.0
亭主に虐げられひどい結婚生活を送る主婦の人生の解放と、レイプ被害が報われなかった女の過去との決別の物語だが、中盤までは犯した罪の重さに苛まれ、重苦しい雰囲気で展開する物語が、後半に入って俄かに色彩を帯びて活気付く、開き直りの描写が実に見事だった。
レイプ犯以外は決して人を傷つけないという一線を守った点もこの映画の成功の背景としてあるだろうが、それよりも、30代の女性が友情の中で本来の自分を取り戻していく過程に共感が集まったことが大きいと思う。
細かい心理描写を丁寧にしながらも、パトカーに囲まれる主人公のシーンなど、決めるところはしっかり決めるリドリースコットの実力がうかがえる。
またブラッドピットも、これが実質的な出世作らしいが、脇役ながら良い味を出していた。
割烹

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