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テルマ&ルイーズのneziのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.0
午前十時の映画祭にて

『20センチュリーウーマン』を観た直後だったので、図らずも2作連続のフェミニズム映画だった。
2人がエスカレートして取り返しがつかなくなっていく姿が苦しいようでいて爽快で、結末では悲しいんだけど清々しいような変な気持ちになった。

「90年代の女性のアメリカンニューシネマ」と評されているけれど、どうして90年代にニューシネマなのか?と思っていろいろ調べてみた。
そしたら、アメリカでフェミニズムが広く浸透したのが90年代らしい。
そのきっかけの1つが、1人の女性が最高裁判事候補によるセクハラを告発した「アニタ・ヒル事件」で、それまでは私的なこととして捉えられることが多かったセクハラが社会的な問題として認識されることになったそう。

それを踏まえて考えてみれば、超亭主関白な夫にこき使われているテルマ、過去のトラウマから人を信用できなくなったルイーズは、相当共感を呼んだんだろう、
その一方で、旅の道中の2人はむしろカッコよくて魅力的に見えるのは、女性の強さの象徴なのかな。
だからこそ、ラストシーンはポジティブに感じ得るんだと思った。
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