一見、カップルで観れる安心の恋愛映画だが、ここには確かな「反抗」が含まれている。というか優れたラブストーリーは全て反抗の映画になるべきだ。
人の給料を聞いておいて絶句するブルジョワは全員くたばればいい。
肉体労働者を馬鹿にするホワイトトラッシュは全員くたばればいい。
彼らの恋愛の成就は、同時に世界を縛るルールの敗北を意味する。
現実では世界を取り仕切る金持ち連中の包囲網をくぐり抜け、彼らが愛し合えるのは映画の中だけなのだ。
我々は彼らのラブストーリーに感動するのではない。現実では絶対に覆らない世界が、二人の反抗によって覆ることに感動するのだ。
ただラストは完全に蛇足。