やっぱりカルカン

鉄道員(ぽっぽや)のやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

やっぱり不器用な男をやらせたら健さんの右に出る者はいない。説明するのは難しいが、ストーリーはいたって想定内の展開なのに不思議と涙が止まらない。

Twitterで感想を見ていると「何が起こったんだ」「どういうこと?」「よくわからない」といった意見もあった。
現在と過去が交互に、しかも回想の順番が前後する事もあるのでややこしかったかもしれないが、しっかり見ていればあれは「お迎え」なのだと分かる。

普段アクションやサスペンスのような激しい作品が好きで、あまりゆったりした映画を見ない方には退屈に感じるかもしれない。また、昭和ど真ん中の男の生き様を描いているので現代の若者からすると時代錯誤も甚だしいと怒りに震えたり、理解に苦しむのも頷ける。
現実なら間違いなく警察のお世話になると思われる描写もあるが、それはファンタジーという事で…(あの年頃ぐらいまではお父さんが世界で一番カッコいいし将来の夢はお父さんと結婚する事だからきっと無問題)

今となっては天然記念物のような仕事一筋、真面目一徹、男は黙ってを地で行く主人公。ところが時々胸がキュンとするような可愛らしい一面を見せる事も。おじキュンの先駆けは鉄道員(ぽっぽや)だったのか。

健さんはまだまだ若々しくて華があり、かっこよかった。志村けんさん、まさかこんな事になるとは誰も思ってなかった。映画がこれだけなんてもったいない、もっとお芝居している所を見たかった。スーちゃんも若いのに、もうこの世にいないなんて信じられない。映画の中だけでも、お元気な姿が拝見できて嬉しかった。

主題歌【鉄道員 】(てつどういん)は
作詞:奥田民生
作曲:坂本龍一
編曲:国吉良一
歌:坂本美雨
と親子共演+一流ミュージシャンとの組み合わせで生まれた名曲。奥田民生の真っ直ぐで男気溢れる歌詞が坂本美雨の透き通るような美声とのギャップでより一層際立っている。

余談
公開当時1999年は北海道の駅を舞台とした連続テレビ小説『すずらん』が放送されていた。どちらも雪と電車のイメージが強いためストーリーが脳内で混ざり合っていた。