クリストフォルー

鉄道員(ぽっぽや)のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
4.1
公開時にも評価の分かれた映画だったが、私は、あまりにあからさまに死の影を纏わせた内容に、高倉健の引退作かと思ってしまった。
北海道の雪の原野をひた走るD51,そして単行のディーゼル車(キハ12形)やラッセル車の勇壮で孤独な姿。主人公の妻が口ずさむのは、亡き江利チエミの持ち歌だった♪テネシーワルツ。ようやく授かった幼い娘は病死。事故で亡くなる炭鉱夫。あげくは死に目に会えなかった妻と、重なる死をやり過ごすように、雪のホームに立ち続ける鉄道員。
そして、ラストに用意された邂逅は、ヒロスエが演じる「雨月物語」か「異人たちとの夏」。エンディングの坂本美雨の歌も“御詠歌”に聴こえてしまう。やはり、怪作というしかない。
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