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鉄道員(ぽっぽや)のホッソのレビュー・感想・評価

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
3.5
鉄道駅員の仕事一筋で生きてきて、家族を気にかけてやれず、死に別れてしまった定年間際の男が、冬のある日、奇跡を目の当たりにするという物語。
演出・見せ方・ストーリー構成などは文句なく、1級品といって差し支えない。しかしながら、私が特に気になったのは佐藤乙松という主人公の在り方です。
ワークライフバランスのワの字もない働き方。
同僚から定年後のホテルの仕事を進められても俺は鉄道しか出来ないからという柔軟性の無さ。
17年間子供が出来ず、やっとこさ妊娠したのに感謝のかの字もない女性観。
自分の事業内容に関しても親父から教えられたことを律儀に守っただけという保守的な考え。

なぜ日本では労働時間が短くならないのか?
なぜ日本では女性の社会進出率が他国と比べて低いのか?
なぜ日本ではDEXがうまいこと進まないのか?
なぜ日本では再生可能エネルギーの導入率が遅れているのか?

海外から見て著しく遅れている日本のポイントが、この佐藤乙松を見ていると浮き彫りになってきます。
こういう時代やこういう考えの人がいたんだなってノスタルジックに浸るのは良いと思いますがね。。
今の人が見て、主人公の生き方に共感して感動しているようでは日本はまだまだだなって思うのは言い過ぎでしょうか。
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