アキラナウェイ

マジックのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

マジック(1978年製作の映画)
3.8
監督は「ジュラシック・パーク」にも出演していたリチャード・アッテンボロー。

そして、アンソニー・ホプキンス。44年前の40歳。まだ若いけど、演技力はバケモノ級に上手い。

売れないカード手品師のコーキー(アンソニー・ホプキンス)は、ファッツという人形を使った腹話術で人気を博し、一躍有名になるが、テレビショーの契約の目前で彼は姿を消してしまう—— 。

コーキーは故郷に戻り、かつて学生時代の想い人と再会を果たす。しかし相手には既に夫がいて…。

アンソニー・ホプキンスの見事な腹話術にビックリ。

口が…動いて…いないだと…!?

引っ込み思案のコーキーとは対照的に、歯に衣着せぬ物言いで、卑猥な言葉も頻発するファッツ。一人二役で魅せる会話の応酬がお見事である。

普通にそこに置かれているだけで、怖いんだけど。ファッツがよ。

腹話術師であるコーキーがファッツを操っていた筈が、いつしか立場が逆転し、コーキーがファッツに操られていく過程が素晴らしい。

マジックは手際が良いのに、殺しの手際は良くないコーキー。

「5分黙っておく」事も出来ない、病的なまでの喋り。アンソニー・ホプキンスの怪演がお見事。

コーキーとファッツの服装が同じ終盤は、
2人が一心同体となったメタファー。人形に心が侵されていく、哀しきマジシャンの末路とは—— ?

エンドロールで、
FATS :ANTHONY HOPKINS
と表記されるだけあって、アンソニー・ホプキンスの独壇場である。