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マジックのaoringoのレビュー・感想・評価

マジック(1978年製作の映画)
3.8
アンソニー・ホプキンスの出演作品は、レクター博士以降のものしか観たことがなかったので、たまたまU-NEXTで見かけたこちらを鑑賞。

40歳頃の出演作品ということで、彼が若いということがまずは新鮮!ですが狂気じみた巧みな演技はこの頃からパーフェクトというか、冷や汗とかこちらまでコーキーの焦る気持ちが伝わってくるようでした。

主人公コーキーと、彼が操る腹話術人形ファッツの会話は、本当に2人の人が交互に話しているようで、その狂気によってまるでファッツが生きてる人形のように見えていく。怖い。

不器用で精神的に不安定なコーキーは、ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」に通ずるような気がしました。どちらも芸人という、本来の内気な自身と別人格を作り出して人を楽しませようとするところが似てる。

そして、それがうまくいかずに破綻して闇落ちしちゃうようなところも似てるとおもいました。

抑えきれない衝動と倫理観の狭間で苛まれるコーキーの姿は、怖いけど切ないお話でもありました。
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