アンダーシャフト

プリーストのアンダーシャフトのレビュー・感想・評価

プリースト(2011年製作の映画)
3.0
良し悪しと好き嫌いは別の価値観で…という余計な前置きはほっといて…
典型的なジャケ借りの一作。

かつてヴァンパイアと人間は長きに渡り戦いを繰り返し、世界は汚染され荒廃してしまう。人々は、高い防壁に守られ教会が実権を掌握する“シティ”での暮らしを余儀なくされる。
教会は、ヴァンパイアハンターチームを編成。彼らは“プリースト”と呼ばれ、卓越した戦闘能力でヴァンパイアを遥か辺境の地へと追いやることに成功する。
ヴァンパイアの恐怖に怯える日々は去り、チームはそのあまりの強さに教会から危険視されて強制的に解散。こうして、ヴァンパイアとの熾烈な戦いは過去のものになろうとしていた。しかし…

といった感じのオープニングで、主人公の元にある知らせが来たことをきっかけに、新たにヴァンパイアの脅威と立ち向かうという展開です。

個人的にこの映画に惹かれる所は2つ。
①ディストピアの描き方
街はメタル感の強い重厚かつ圧迫感のある雰囲気。一歩街を出ると、刺すような陽光に砂と瓦礫しか見えない乾ききった大地。コロニー的に生き残っている町も含めて、動植物の気配が皆無という世紀末的世界を、彩度をギリギリ抑えた撮り方で表現しています。これはかなり自分好み。暗闇と陽光の極端な陰影も、ドライな雰囲気づくりに一役買ってます。
②ポール▪ベタニーとマギー▪Q
ジェイソン▪ステイサムが最近ちょっと食傷気味のせいか、この作品のポール▪ベタニーはカッコよく感じる。影のある雰囲気が特に◎。鉄の塊みたいなゴツいバイクで荒野を疾走するシーンは、それだけで画になってる。
マギー▪Qも、芯があって強い面を持ちながら、どこか儚げで密かな恋心を秘めてる感じが魅力的。M:I-3の役どころよりも、彼女の良さが出てる感じです。

低評価だろうとは思いますし、自分も他の似たような作品と比較すればスコアは厳しい。アクションシーンはよく出来てるけど、何と言うか、映画としての厚みみたいなものを感じません。ストーリーも単調。でも、自分は嫌いじゃない。オススメかどうかは難しいところです。


〈おまけ〉
観終わってしばらく経ってから知って、個人的に驚いたこと。
○制作に、サム▪ライミや「ブレイド」「ダークシティー」のエグゼクティブ▪プロデューサー等腕利きが関わってた!
(道理で所々良さげなホラーテイストが出てる訳だ…なのになぜ?キャストに華がない?ストーリーがよくあるパターン?ヴァンパイアの造形に捻り&凄みがない?プロモーションの失敗?…かなり手厚い製作陣のはずだが…)
○ルーシー役のリリー▪コリンズは、かの有名な(おっさんだけかもだが…)ミュージシャン、フィル▪コリンズの娘だった!!
(確かに、フィル▪コリンズも愛嬌ある顔してるし…いい方向に遺伝したんだろうな、きっと…)