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罪の天使たちのnotitleのレビュー・感想・評価

罪の天使たち(1943年製作の映画)
3.7
私はブレッソンのことはトンとわからぬ。
だが、映画史の中で見た場合に大きな意味を持つ作家であることは承知している。

本作は、ブレッソンがほぼわかりやすい感情表現や演出を排するように努める以前の長編デビュー作である。
スタジオシステムで撮られた映画で、台詞や芝居で登場人物たちの感情がはっきりと表現された、つまり普通の映画である。

俗っぽい見方をすると、主演のルネ・フォールは可愛いし、ストーリーも傲慢やら嫉妬やら怨恨のような所謂"ドラマ"を扱っているので感情移入がしやすく、とても楽しみやすい。

こうした感情を露わにする映画を撮る男が、内心はもっと感情を抑制してドラマチックさとは真逆に進みたかったのだと思うとなかなか興味深いものがある。
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