yumiko

大列車作戦のyumikoのネタバレレビュー・内容・結末

大列車作戦(1964年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

1944年、ドイツ軍占領下のパリ。連合軍が間近に迫り、ドイツ軍にはいよいよ撤退の時が来ていた。

パリの美術館にはゴーギャン、ルノワール、ゴッホ、マネ、ピカソ、ドガ、ミロ、セザンヌ、マチス、ブラック、スーラ、ユトリロの貴重な絵画が、ナチスの「敗退芸術」とされながらも、美術品愛好家のドイツ将校ヴァルトハイム大佐によって焼かれる事を免れていたが、全て列車でドイツに持ち去られようとしていた。

その阻止の依頼を受けたフランス国鉄の鉄道員たちとラビッシュ(バート・ランカスター)があの手この手でサボタージュするお話。果たして絵画を守り切れるのか?

すごいスケール!蒸気機関車の迫力って凄いと思うんだけど、脱線させたり機関車同士をぶつけたり、空爆から逃れたり。ど迫力の映像!

ストーリーもスリリングで、ハラハラするシーンがたくさん。妨害しても、何しても、その人員力で列車を前に進めようとするドイツ軍。それに対し、仲間を1人また1人と失っていくラビッシュ達。それでも諦めない。

ここからはネタバレ。






生き残ったラビッシュが一人立ち向かう、川沿いのシーン。ドイツ軍は卑劣にも民間人を先頭に乗せ、人間の盾にして、機関車を守り進んでいく。だから、爆破できない!
そして、足を負傷しているにもかかわらず、かなり先回りして、線路のネジを抜くラビッシュ。そして脱線!思わずガッツポーズしちゃった。

それでもドイツ軍は、通りかかった撤退中のトラックの車列に絵画を運び込もうとするが…「負けた兵士たち」にはその命令は通じなかったのだ。
しかし、人質は全員射殺されてしまう。それをみたラビッシュのやるせなさがひしひしと伝わってくる。そしてヴァルトハイムとの対峙…

ミッションは成功したにもかかわらず、こんなにどんより重い気持ちになるなんて。
「戦争」の虚しさが強調される、素晴らしい作品だったと思います。
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