TadasukeKikuchi

殺人の追憶のTadasukeKikuchiのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.9
1980年代韓国で実際にあった未解決殺人事件をモチーフに刑事の立場から描いたサスペンス作品。

韓国映画は初めてだったが、邦画のように入りやすく、なおかつ言葉が日本語ではないという適度な距離感が心地よいと感じた。

事件が強姦連続殺人なので遺体の様子は見ていて苦しい。暗い雨の中殺された女性たちの恐怖が伝わった。とにかく生々しい。

この時代の韓国は暴力に溢れていたようだ。刑事も容疑者をリンチする。

ソウルからきた実力派刑事と地元の田舎刑事の反発が次第に薄れ逆に認め合っていく様子が言葉もなく描かれている。なにも説明はないのだが、あっ、近づいたなと分かるのがいい。

展開やストーリーもいいが、それよりも演技を見せる作品と感じた。韓国俳優たちの本気の演技に圧倒される。