MondeFilm

地下鉄のザジのMondeFilmのレビュー・感想・評価

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)
4.8
 インスタントシトロン、片岡知子氏を通じて知った。近所のパン屋には本作のポスターが飾られている。シトロンには多大に影響を受けているが、バンドを終えてソロとしての活動、特に『たまこまーけっと』参加時のインタビューで語られていた記憶がある。ファンシーなヌーヴェルヴァーグ。シリアスではなく芸術性に偏りすぎてもいない、かと言って野心を忘れてもいない楽しめる意欲作。『ピチューとピカチュウ』といういまや入手困難のポケモン同時上映ミニシネマと通底するような、街を闊歩する喜びに溢れている。複雑なストーリーも人間関係も登場しないが、コミカルで絵本の世界に迷い込んだような感じ。フランス独特のユーモア。筋書きに依らないインパクトを持つ映画は凄みがあると思う。三位一体。傾斜が生まれると不安になる。素敵な心持ち。
MondeFilm

MondeFilm