いずみ

地下鉄のザジのいずみのレビュー・感想・評価

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)
3.2
ヌーヴェルヴァーグの先駆けとなった作品とか言われてるけど…確かに当時のフランス、パリの雑然とした植民地後の雰囲気や街並みを映しているのはヌーヴェルヴァーグの現れといってもいいが映画のストーリーと画面にヌーヴェルヴァーグ性は感じられない。地下鉄を見たい無邪気なザジと画面の中のパリは生きづらい世の中を対比させていてよかったが。ザジが実の叔父が自分に卑猥なことをしたと嘘をついて周囲の人間を困らせて、周囲の人間が耳越しにそれを言うシーンとかフランス人の国民性をとても分かりやすく表現しているがそんなシーンばっかり。美学と哲学がない。所々、ゴダールを意識しているかのような色合いの演出があるがゴダールを意識したら失敗するの当たり前。ブラックユーモアみたいな、どんちゃん騒ぎの感じが私は単に嫌いなだけなのか…マルは死刑台のエレベーターが彼にとって最初で最期のヌーヴェルヴァーグ美学的映画だな…。これは才能なし。
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