しゅん

還って来た男のしゅんのレビュー・感想・評価

還って来た男(1944年製作の映画)
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川島雄三監督第1作。戦中の公開だけど、すでにみんな傷ついている。機械のように同じ文句を繰り返す佐野周二は笑えるけど、あれは彼の「傷」なのではないか。

全体的に繋ぎ方が速くてビビる。書斎で語っていた男たちが次の瞬間風呂に入っていて、すぐに翌日になってる。この余韻の切り捨て方は新鮮だった。踏切のシーンのつなぎで(おそらく構図を良くするために)男二人の位置が変化するのには、なんというか「映画だなぁ」という感慨を抱く。

佐野周二と笠智衆の親子は小津『父ありき』と同じ。出てくる男がみんな黒目がち。
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