リンコロシネマ

恋する惑星のリンコロシネマのレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
4.2
90年代半ば…カルトムービーという言葉が本来の意味を失い完全に腐敗した資本主義映画の代表となってしまった“偽物”と化し、そんな風化した“偽カルトムービー”を嘲笑うかのように軽やかにスキップしながら登場した『恋する惑星』には底知れぬ衝撃を受けた。そりゃタランティーノも惚れるわけだ。

30代の頃…僕がベリーショートの女の子を好きになったのはこの映画の影響。ベリーショートの女の子は気が強い?

洗練されたファッション、洗礼されたストーリー、古くも映像との融合により新しい印象を与えるスタイリッシュな音楽…香港の無国籍な街並みに繰り広げられるのは60年代のハリウッド映画から脈々と流れるラブストーリーを90年代までブラッシュアップした小粋な大人のファンタジー。

ウォン・カーウァイの出世作にして代表作。

この作品を野外で…しかも無料で観ることができるなんて…8/12は私の箱でもライブイベントがあり参加できないのだが友人のOpenairCinemaさんが山中湖村の古民家の庭先で野外上映会を行うのがこの作品。映画好きなら絶対に行ったほうがいいやつ!!

フェイ・ウォンの「夢中人」(The Cranberriesのカバー)が流れる場面の鮮烈な印象は映画史上もっとも美しく胸が熱くなる瞬間でもあり、この先も色褪せることはないだろう。