Uえい

恋する惑星のUえいのレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
3.5
去年4Kが上映されていた時にすごい人気だったので気になっていた。

ミュージックビデオの様なおしゃれでかっこいい雰囲気で、岩井俊二監督などを連想する。30年前の映画とは思えない瑞々しさだった。

前半と後半で、共通点は少しあるものの、それぞれ別人物の恋愛模様が描かれる。前半は、振られたばかりの警官モウ(金城武)とドラッグの運び屋を仕切る女の出会いが描かれ、後半は同じ警官の同僚(トニー・レオン)と屋台の店員フェイとの不思議な惹かれあいが描かれる。

前半は暗く、ノワール的な雰囲気に包まれている。女も終始トレンチコートにサングラスをかけて謎めいていた。逃走劇が二回ほど繰り広げられるが、その時の手ぶれ感の強い撮影技法がエモい感じがして好きだった。

後半は、これまた失恋した警官と、片思いする店員の恋愛模様なのだが、勝手に部屋に入って模様替えしてしまうが、失恋のショックのせいで見間違えているとして納得してしまったりとなかなか不思議な展開で、この感じが岩井俊二っぽかった。そしてテーマ曲の「California Dreamin'」がめちゃくちゃ良い。

本作は「楽園の瑕」の撮影途中に制作した三片からなるオムニバスの内二つを繋げたものらしく、即興的に撮影したらしい。もう一つは「天使の涙」という作品になっているらしく、こちらも気になる。
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