油淋鶏

恋する惑星の油淋鶏のレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
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夏のじめじめした空気を肌で感じるような作品。恋の刹那、狂気、盲目さを描くなら夏なのだ。わくわくせずにはいられない。おわりもはじまりも、きっかけは些細なこと。恋はものすごく身勝手だ。
けれどそれでいいんだと思い出させてくれる。
誰と誰がどのタイミングで出逢って、それがほんの少し違うだけで運命は変わる可能性がある。登場人物たちが皆、すごく近い所に居て一度はどこかで出逢ったり関係している描写から、広いようで狭い世界、煌びやかな街の中で感じる孤独を受け取った。
恋だけでなく世の中には目を向ければ無限の出逢いがあるのだと教えてくれた。
渦中の人はスローモーションで周りの人々は颯爽と歩いているような撮り方が、恋に悩み、溺れ、自分だけがそこにいるみたいな感覚を想像させる。
冒頭、街を走る場面でのコマ撮りを繋げたようなスローモーションがドキドキした。
油淋鶏

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