青春群像劇を詩的セリフと見るものを魅了する映像美で繰り広げるウォン・カーウァイはまさに天才。
本作はカーウァイ監督の名を世界に知らしめた作品であって、タランティーノが褒めちぎった作品の1つ。その斬新なモノローグの台詞や、揺れるカメラワークなどはとても新鮮であった。そして、なによりも香港の魅力が輝いて見えた。
内容は、
1990年代の香港を舞台に繰り広げられる一種の恋愛ドラマであり、時間軸を変えて二つの物語が描かれます。1つは、重慶マンションを中心に失恋した警察官と麻薬取引に関わる女との恋愛。もう1つは軽食堂を中心に失恋した警察官とあるお店のアルバイトの女。
詩的なセリフで登場人物の習慣や内面を鮮明に作りだし我々を惹き込みます。
・パインの缶
・サングラス
・飛行機
・金魚
・ぬいぐるみ
など印象に残るアイテムが沢山あります。
それぞれ登場人物の心の中に一生忘れることのできない人や傷があり、主人公一人一人に愛情を注いでいる特徴は映像美同様、一貫していてウォン・カーウァイ作品らしい映画に仕上がっています。
劇中流れる「カリフォルニア・ドリーミング」は耳に残り確実にこの作品に欠かせない音楽となっていました。