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「シルバースタリオン　銀馬将軍は来なかった」

朝鮮戦争開始直後、国連から韓国への支援ということで米軍が春川の近くの小さな村に入ってくる。寡婦として子どもを育てるオルレ（イ・ヘスク）は米軍兵２人に輪姦される。村人たちはそのことを知り、オルレに同情を、米兵に怒りを感じるが、戦争の混乱もあり、徐々にオルレに対する蔑みが生じていく。オルレは死にたいと思うが、子どものために死を選ぶこともできず、耐え忍んで日々を送る。

そのうち、米軍部隊は駐屯するようになり、きらびやかな洋服を着たヨンニョ（キム・ボヨン）、スンドク（パン・ウニ）はクラブを始め、そこで売春するようになる。彼女たちはオルレを引き入れようと声をかけると、当初は断っていたオルレも家に米がなくなったことで、やむを得ないと思いクラブで共に働くことを選ぶ。そんな混乱の中、オルレの息子マンシク（シム・ジェリム）は急に米や缶詰が置かれるようになり、母親の行動を怪しむようになる。

徐々に村の風紀は崩れ、村人たちも浮足立っていく。村の長老はオルレ、ヨンニョ、スンドクを追い出そうとするが、米軍兵たちの力もあって、彼女たちの営みは守られる。そんな中、マンシクは悪い友人たちとつるんでゴミを漁ったり、拾った武器で遊んだりし始めるが、友人たちがオルレの夜の営みを覗いているという疑念を持ち始め、関係が崩れていく。マンシクは悪友のボスが作った手作りの拳銃を手にし・・・


原作小説は、アン・ジョンヒョの「銀馬（silver stallion）」であり、村に伝わる救済者の伝説における象徴の意味を持つそうです。外敵が攻めてきたとき、天から銀色の馬に乗った将軍が現れて村を救ったという伝説です。邦題の「シルバースタリオン：銀馬将軍は来なかった」は、朝鮮戦争の現実においては誰も救いになんて来てくれないという意味を表すようです。

イ・ヘスク、キム・ボヨンは複数の賞を受賞しました。また、百想芸術大賞の子役賞も受けています。村人たちの旧態依然とした暮らしにもたらされた西洋文化が、女性たちの美しい洋装で美しく映し出されています。

★★