ヤスマサ

コロンビアーナのヤスマサのレビュー・感想・評価

コロンビアーナ(2011年製作の映画)
3.5
マフィアに家族を殺された少女が、殺し屋として成長し復讐するリベンジ・アクション。

コロンビアの麻薬組織の幹部ファビオ・マリア(ジェシー・ボレゴ)の娘カトレア(アマンドラ・ステンバーグ/ゾーイ・サルダナ)は、マフィアの大物ドン・ルイス(ベト・ベニテス)の手下に家族を皆殺しにされるところを辛くもアメリカ大使館に逃げ込み助かると、シカゴのギャングで叔父のエミリオ(クリフ・カーティス)の下に身を寄せ、両親の復讐をすべく、殺し屋としての術を身につけていく。

オリヴィエ・メガトン監督が、リュック・ベッソン制作・脚本で組んだ2作目で、マフィア内の粛清がもたらした、不毛な復讐の応酬劇。
カトレアの蛾を通した、悲劇でしかない。

近付くのが難しいターゲット相手に、華奢な体を活かし、巧妙且つ大胆に、難なく暗殺をこなしていく様は、観ていて面白いのだが、
リベンジものは得てして、痛快であったり、極端に非現実的であるなどしても、後味が悪かったりするもの。
本作も然り、エミリオの言葉「復讐は無意味だ」も届かず、失うものが大きい復讐に固執するカトレアに、観ていて共感するのは難しい。

作品自体のテンポは良く、ストーリーに入り込み易いカメラワークと細かなカット割り、中南米を意識したようなカラーグレティングがよく効いていて魅力的なのだが、リュック・ベッソンの書くノワール系に寄った脚本が、良く言えばらしさが出ているのだが、悪く言うとマンネリな感じで少々残念。

オリヴィエ・メガトンの色より、リュック・ベッソンの色が強く感じられる作品。
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