2008年公開
監督 ジュリオ・マンフレドニア
1980年代のイタリア。
精神科病院を無くす"ノンチェッロ協同組合"の実話に基づいたコメディ映画。精神科病棟に収容されていた元患者が「やればできる」を合言葉に、対話を重ねながら、一つ一つ体験していくお話。
一番最初にグッときたシーンがある。医師が病人としかレッテルを貼っていない彼ら、一人ひとりの名を聴き自己紹介するシーンだ。おそらくこれまで「イカれた」などと表現され、受けいられられる体験をしてこなかったのかもしれない(健常者とカテゴライズされる側も怖かったのかも)。
そこから関係性が始まる。
本人の特性や資質に合わせて役割分担し、力を合わせて仕事をする姿は、なんともブリコラージュ的で自分が必要とされていると感じられるだろう。
過ちをおかしても「罪悪感は役に立たない」と、再度立ち上がっていく様子に心打たれる。
新しく病棟から出てきた仲間たち、一人ひとりに目を見て挨拶をし、抱擁し、受け入れる。
日本の精神科病院も少しずつ減っていく方向に向かってほしい。
ps
対話する医療でも書かれていた内容だな…と思い出した。