りきマルソー

サガン -悲しみよ こんにちは-のりきマルソーのレビュー・感想・評価

4.0

「悲しみよこんにちは」でデビューを飾ったフランスの女性作家フランソワーズ・サガン。
実はまだ一冊も読んでいないのだが、最近、山口路子氏の「サガンという生き方」を読み、サガンの半生を知った。

フランソワーズ・サガン。
彼女はどれだけの「孤独」を感じながら生きてきたのだろうか。
周りには気の許せる友人や恋人、元旦那などがおり、一緒に暮らしてもいた。
もちろん映画では簡略化され描かれているが、それでもなお感じさせる「孤独」を、作中ひしひしと感じる。

「私がひそかに恐れるのは愛なく生きることだ
私が死に近づいても誰も引き留めない
心臓の鼓動を共有する人もいない
みじめだ
寄り添う肩が欲しい
そのために人は愛するのだ
孤独から逃避するために
それを意識する事こそ本当の悲しみだ」

決して死を恐れていた訳ではないけれど、いつもそこには「孤独」が存在していたと思う。

アルコールや交通事故の痛み止めとして知ってしまった麻薬で身体を擦り減らしながらも、 晩年まで執筆を続けたサガン。
私はこういうすれすれの人生であったり、身を擦り減らしながら生きる女性作家が好き。
だから凄く興味がある。

「死ぬ、よろしい。
けれど地球が爆発し、あるいは永久に破壊されてしまう間、誰かの喉もとに鼻を埋めて死にたい。」