chiyo

女の座のchiyoのレビュー・感想・評価

女の座(1962年製作の映画)
4.0
2021/1/7
一言で表すなら、成瀬版「東京物語」。が、本家よりももっとドロドロしていて、女性の嫌な部分を容赦なく見せてくる。中でも、石川家の長男の嫁・芳子に対する、次女・梅子の発言の数々があまりに酷い。特に、六角谷甲演じる宝田明が登場してからは尚更で、芳子演じる高峰秀子が不憫でしょうがなかった。ただ、彼女にとっての義両親、義妹にあたる四女と五女に辛辣さはなく、それが唯一の救い。そして、終盤でとんでもない不幸に見舞われる芳子だけれど、ラストはほのぼのとしており、ホッと一息つける感じ。誰とも血の繋がりのない3人が、最終的に肩を寄せ合うのが何とも皮肉。と同時に、適度な遠慮のある関係の方が上手く行くのかも、と思ったりも。それはそうと、キャストがとんでもなく豪華!東宝オールスター!
chiyo

chiyo