ギャスパー・ノエ監督作は『CLIMAX』が初鑑賞で、奇妙で陶酔型な体験が記憶に新しい。
本作は長編2作目。やはり独自の陶酔型の映し方で、赤を基調にした激しい前半とノーマルな後半。1シーン1カットの映し方を徹底した独特の描写に目を見張る。
本作の売り、というか興味は約9分間のレイプ・シーンに集中している。実際見てその暴力描写は凝視し難いものがあるが、バイオレンスはこれに留まらず、もう1箇所あり、自分的にはレイプより見ていられない気持ちになった。
時系列を逆行するのは『メメント』で経験済みだが、本作は難解というか逆行することで前半の嫌悪感から、それを引きずりつつ平穏な世界を見させるあたりの、監督の狙いには感心させられる。
『CLIMAX』ほど中毒性は感じないが、興味深くはあった。正時間軸バージョンがあるが、特に興味は持てない。
